「主イエスは、引き渡される夜、パンを取り、感謝の祈りをささげてそれを裂き、『これは、あなたがたのためのわたしの体である。わたしの記念としてこのように行いなさい』と言われました。」1コリ11,23-24
イエス・キリストは十字架に付けられる前の夜に行われた食事のとき、パンとぶどう酒の杯を取り、感謝の祈りをささげてから弟子に与えて、「これは、あなたがたのために渡されるわたしの体である。これは、わたしの血の杯、あなたがたと多くの人のために流されて、罪のゆるしとなる新しい永遠の契約の血である。これをわたしの記念として行いなさい」と言われました。これによって主イエスは、ご自分をささげられたと同時に、ご自分の受難と死を予告され、その意義を説明されました。その時以来、キリストの教会は主イエスの言葉に従って、救いをもたらしたキリストの死と復活を想い起こしながら、最後の晩餐の式を繰り返し、キリストの愛の奉献を記念することによって、それを再現しています。
信者はミサ聖祭の間に、神の言葉である聖書の朗読を聴き、この2000年前と同じ食卓にあずかり、キリストご自身の体であるご聖体を拝領します。こうして、キリストの死と復活の記念であるこの祭儀に参加することによって、私たちを最後まで愛し、私たちのためにご自分の命をささげてくださった主イエスに心を合わせ、愛の交わりを持ちます。
ミサ聖祭を祝うことによって、私たちは、神が与えてくださったすべての賜物、とくに創造、あがない(救いのわざ)、聖化に感謝します。それで、ミサは、「感謝の祭儀」とも呼ばれています。
ミサに参加することによって私たちは、神に感謝と賛美をささげ、キリストと共に自分自身を奉献して、神との完全な一致を目指します。そのために、ミサ聖祭は神に対する真の愛の実践でもあるのです。