年間第22主日B年 (マコ7,1-8; 14-15; 21-23)

「イエスは言われた。『あなたたちは神の掟を捨てて、人間の言い伝えを固く守っている。』」マコ7,6-8

「三つ子の魂百までも」と言われている通りに、私たちが子どもの時、特にまだ理性が働かなかった時の体験によって学んだことは、私たちの身に深く染み込んで、私たちの生き方に非常に大きな影響を与えています。ユダヤ人の歴史や教会の歴史が示している通りに、たとえ人間は個人として、または国民のような団体として、創造主である神が遣わした預言者や神の御ひとり子ご自身から正しい生き方を教えられても、注意を払いながら意識的に努力しなければ、自分の元々の考え方をこの新しい教えに合わせる代わりに、少しずつこの教えの方を自分の考え方に合わせてしまいます。同じような危険性が私たちにはないとまでは、言い切れないでしょう。

預言者やイエスが呼びかけている回心のことは、ギリシア語でメタノイアと言います。この言葉は、「考え方や物事の理解の仕方を変える」という意味です。そのようなメタノイアの結果、すなわち、心を入れ替えて、自分の考え方や物事の理解の仕方を、イエスの考え方や物事の理解の仕方に合わせた結果である生き方だけが、神の心に適う生き方であり、人間らしい生き方、つまり人生の最終的な目標に導くものなのです。

私たちが受け入れるイエスの言葉と愛が、私たちに喜びや平安を与えるのみならず、実際に私たちの考え方と価値観、また、私たちの話し方と振る舞い方をも変えますように祈りましょう。

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