年間第21主日B年  (ヨハ6,60-69)

「命を与えるのは“霊”である。肉は何の役にも立たない。わたしがあなたがたに話した言葉は霊であり、命である。」ヨハ6,63

人間は、肉体的な存在であると同時に、霊的な存在でもあります。人間の肉体は、その霊魂の形になっていると言えるほど、体と魂は密接に結ばれています。元々の人間の美しさは、神に似せて創られた魂の美しさを表していたし、人間の内面的な調和、また、人間同士や人間と自然との間の調和は、人間の魂と神の霊との間の調和を表していました。

原罪は人間の霊魂を傷つけて、神との正しい関係を壊すと共に、その霊魂の美しさを滅ぼしました。今私たちが体験しているいろいろな弱さや病気、また、創造主である神の望みに逆らう欲望は、私たちの霊魂の状態を表しています。この欲望に従って生きる人は、ますます神から遠ざかり、その霊魂をもっと深く傷つけるし、内面的な不和や人間同士の争いなども引き起こします。

また、人間の体の死も、原罪の結果です。死ぬ時、人間の肉体と霊魂が完全に分かれるので、不滅な魂が存在し続けても、人間は人間として存在しなくなります。再び存在するようになるためには、体の復活とこの体と霊魂の新たな結合が必要です。

人間が信仰や愛によってキリストと結ばれ、キリストに心を開くならば、キリストはこの人の魂をご自分の霊で満たし、ご自分の魂の似姿に変えてくださいます。神の命に満たされ、神の子の魂のようになった霊魂は、元より美しくなります。このように魂を清めていただいた人だけが、「生命を受けるために」(ヨハ5,29)、つまり、神との愛の交わりに生きるために復活します。この人は、復活によって新たに創造された体を通してその新しい美しさを表し、神の栄光で輝きながら、いつまでも神を賛美するようになるのです。

 

コメントを残す