「イエスは言われた。『わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者は、永遠の命を得、わたしはその人を終わりの日に復活させる。』」ヨハ6,54
ご聖体を拝領すること、すなわち、キリストの体を受けることは、生きたイエス・キリストと交わることなのです。ご聖体においてキリストがご自分自身を私たちに与えてくださるのは、私たちを愛しておられる上に、私たちと共にいたいだけではなく、私たち一人ひとりと一体になりたいからです。要するに、ご自分の体を与えることによって、イエスが私たちに対する真の愛を告白してくださるわけです。
もし、私たちがキリストの愛に応えてキリストを愛し、キリストを受け入れたい、キリストに自分自身をささげたい、最終的にキリストと一体になりたいと求めるようになるならば、自分の望みを忠実に表すものとして、聖体拝領は本当に愛の告白になります。そのときだけ、この交わりはキリストの意向通りに、キリストとご聖体を拝領する人との絆を固め、確実に完全な一致を実現するものになるのです。
けれども、もし、私たちがこれらと異なる理由や目的のためにご聖体を拝領するならば、行動で表すものと、実際に心の中で求めているものが違うので、それが本当の愛の交わりにならないだけではなく、嘘をつくことにもなります。それは、全然愛していない人を、自分の楽しみや他の利益のために利用しようと思って、この人を騙して、「愛しているよ」と言うことと同じです。
この嘘が、故意のものではなく、無知のためのものでしたら、聖体拝領は自分の人生に何の影響も及ぼさない単なる儀式になりますが、故意の嘘でしたら、それはご聖体を拝領する人の心をますます閉じさせ、キリストとの絆を傷つけるか、それを完全に破るもの、また、他の害を与えるようなものにさえなるのです。