ミサ聖祭は、カトリック教会において行われる最も聖なる祭儀です。この祭儀は、主イエス・キリストの最後の晩餐に由来しています。
イエス・キリストは十字架に付けられる前の夜に行われた食事のとき、パンとぶどう酒の杯を取り、感謝の祈りを捧げてから弟子に与え、「これは、あなたがたのために渡される私のからだである。これは、私の血の杯、あなたがたと多くの人のために流されて、罪のゆるしとなる新しい永遠の契約の血である。これを私の記念として行いなさい。」と言われました。これによって主は、ご自分を捧げられると同時に、ご自分の受難と死を予告され、その意義を説明されたのです。
その時以来、キリストの教会は主イエスのことばに従って、救いをもたらしたキリストの死と復活を想い起こしながら、最後の晩餐の式を繰り返し、キリストの愛の奉献を記念することによって、それを再現しています。
信者はミサの間に、神のことばである聖書の朗読を聴き、この二千年前と同じ食卓にあずかり、キリストのからだである聖別されたパン(ご聖体)を拝領します。こうして、キリストの死と復活の記念であるこの祭儀に参加することによって、私たちを最後まで愛し、私たちのためにご自分の命を捧げてくださった主イエスに心を合わせて、愛の交わりを持つのです。
ミサ聖祭を祝うことによって私たちは、神が与えてくださったすべての賜物、特に創造、あがない(救いのわざ)、聖化に感謝します。それで、ミサ聖祭は、「感謝の祭儀」とも呼ばれています。
キリストのからだを受けることによってカトリック信者は、キリストと一つになるために、キリストを受け入れたい、自分自身をキリストに奉献したいという望みを表すと同時に、それを約束します。その意味で聖体拝領は、洗礼を受けたときに、神と結んだ契約の更新になっていますので、洗礼を受けた人に限られているのです。